「ホームページを作ろう」と決めてから、いちばん長く止まるのは原稿です。
デザインの好みは割とすぐ決まります。予算も、調べれば相場観がつかめます。
そのあとで「では掲載内容をください」と言われて、そこから動かなくなる。
制作の進め方を調べていると、ここで止まったという話はよく見かけます。
No Work Lab がホームページ制作で いきなりデザインを始めない のは、
この順番だと必ずそこで止まると分かっているからです。
先に決めるのは中身のほうで、デザインはそれを載せる器として後から決めます。
この記事は、その「先に決める」部分を、依頼するかどうかに関係なく
自分で進められる形にしたものです。項目のチェックリストではなく、決める順番の話です。
なぜ「必要な項目リスト」では進まないのか
「ホームページに必要な要素」を調べると、だいたい同じものが出てきます。
サービス紹介、料金、実績、お客様の声、会社概要、問い合わせ。
このリストは間違っていません。ただ、手が止まっている人には効きません。
理由は2つあります。
ひとつは、項目が並列に見えること。どれから書けばいいのか分からないまま、
いちばん書きやすい「会社概要」だけが埋まって、肝心の部分が空欄で残ります。
もうひとつは、項目を埋めることが目的になること。
「お客様の声」の欄があるから何か書かなければ、と思ってしまう。
まだ実績がないなら、その欄は今は要らない、という判断ができなくなります。
必要なのは項目の一覧ではなく、何から決めれば次が決まるかという順番です。
順番1:誰の、どの状態を想定するか
最初に決めるのは「誰に向けたページか」ではありません。
それだと「地域のお客様みんな」のような答えになって、何も絞れません。
決めるのは 相手のどの状態か です。同じ人でも状態が違えば、必要な情報が変わります。
- まだ困りごとを自覚していない
- 困ってはいるが、解決手段があることを知らない
- 手段は知っていて、誰に頼むかを選んでいる
- あなたに頼むと決めていて、進め方を確認したい
この4つのうち、どれを主役にするかを1つ選びます。
全部に対応しようとすると、どの人にも刺さらないページになります。
小さな事業なら、多くの場合は3番目(選んでいる段階)が主役になります。
まだ知られていない段階の人を動かすのは、ホームページ単体では難しいからです。
ここが決まると、次で書くことが自動的に絞られます。
順番2:その人が最後まで迷うことを3つ書き出す
主役を決めたら、その人が 申し込む直前まで残る不安 を3つ書き出します。
頭で考えて作るのではなく、あなたが実際に聞かれたことを思い出して書きます。
電話で聞かれたこと、見積もりを出したあとに返ってきた質問、断られたときの理由。
記録がなければ、直近の数件を思い出すだけで十分です。
よく出てくるのは、たとえばこういうものです。
- いくらかかるのか、追加は発生するのか
- どれくらいの期間がかかるのか
- 自分は何をすればいいのか、何を用意するのか
- 途中でやめたくなったらどうなるのか
この3つがそのままページの主要な見出しになります。
「サービス紹介」より先に、この3つを書くほうが早く効きます。
順番3:答えられないものを正直に分ける
書き出した不安に対して、いま答えられるものと答えられないものを分けます。
答えられないものを、それらしく埋めないでください。
実績がないのに事例を作る、対応していない範囲を「対応可能」と書く。
これは短期的には形が整いますが、問い合わせのあとで必ず食い違います。
答えられないものは、次のどれかにします。
- 範囲を狭めて答える — 「全対応」ではなく「この条件ならこの金額」
- 条件を書いて答えを保留する — 「内容によって変わるため、最初にお見積もりを出します」
- 今は載せない — 空欄のまま置く。無理に埋めない
No Work Lab のホームページ制作でも、料金は
初期費用と月額の下限を出したうえで、内容によって変わる部分は
先に見積もりを出す形にしています。全部を書ききることが正解ではありません。
順番4:文章ではなく、答えの箇条書きにする
ここまでで「何を書くか」は決まっています。
次に多い詰まりは「文章にできない」です。
文章にしなくて構いません。質問と、その答えの箇条書きまで用意すれば、
その先は整えるだけの作業になります。
Q. どれくらいの期間がかかる?
- だいたい1か月半
- 写真の用意で伸びることが多い
- 急ぎなら短縮できるが、ページ数を減らす前提
この粒度で構いません。
No Work Lab が制作で 完成した原稿を求めない のは、ここが本質だからです。
文章を書く作業と、何を伝えるかを決める作業は別のものです。
後者さえ済んでいれば、前者は代われます。
順番5:載せない判断を記録する
最後に、今回は載せないと決めたものを書き残します。
これを残しておかないと、公開後に「あれも載せたほうがいいのでは」が
何度も戻ってきます。一度判断したことを、判断した理由ごと残しておけば、
そのたびに考え直さずに済みます。
書き方は1行で十分です。
- お客様の声:実績が少なく、選んで載せると偏るため今回は無し。10件を超えたら再検討
- ブログ:更新する人がいないため作らない。noteで代替
これは公開しません。自分と制作者のための記録です。
実装より先に、ここが難しい
No Work Lab がホームページ制作をやってみて分かったのは、
難しかったのは技術ではなかった ということでした。
作る技術の部分は、やり方が確立しています。困るのはいつも、
掲載内容が決まらないまま時間が過ぎることのほうです。
だから制作の進め方も、原稿を待つのではなく、
上の順番を一緒に進めるところから始める形にしています。
まとめ:決める順番
- 相手のどの状態を主役にするかを1つ選ぶ
- その人が最後まで迷うことを3つ書き出す
- 答えられないものを正直に分ける(狭める / 保留する / 載せない)
- 文章ではなく質問と答えの箇条書きにする
- 載せないと決めたものを理由ごと記録する
この5つが終われば、ホームページの中身は決まっています。
ここから先は、載せ方の話です。
自分で進めてみて途中で止まったとき、あるいは
一緒に整理するところから頼みたいときは、
ホームページ制作・保守のページから相談を受け付けています。