自分のホームページをGoogle Search Console(サーチコンソール)に登録し、
「検索パフォーマンス」のレポートを開いた人は多いはずです。
そこで、こう感じたことはないでしょうか。

「ページごとの表示回数を全部足すと、サイト全体の数字より多い」
「クエリ(検索語)ごとの表示回数を見ると、全体よりずっと少ない」

これは設定ミスでも、集計のバグでもありません。
サーチコンソールは、サイト全体・ページ単位・クエリ単位を、
そもそも別々に集計している
ためです。

この記事は、No Work Labが自分たちのサイト(noworklab.net)を
実際に計測していて気づいた、この「合わない」の正体と、
目的に応じてどの数字を見ればいいかをまとめたものです。

私たちが実際に見た数字

2026年8月16日時点、直近28日間の実測です。数字を丸めずにそのまま出します。

集計単位表示回数クリック数
サイト全体(プロパティ単位)7110
ページ単位の合計(5ページ分)12810
クエリ×ページ単位の合計(開示された2件分)40

同じ期間、同じサイトの数字です。それなのに、
ページ単位の合計はサイト全体より大きく、
クエリ単位の合計はサイト全体よりずっと小さくなっています。

「表示回数はたった4回しかない」と読むのは誤りです。実際には71回あります。
この違いがどこから来るのかを、順番に説明します。

前提1:サイト全体とページ単位は、数え方の単位が違う

サイト全体の数字は「1回の検索結果表示を、サイトで1回」と数えます。
ページ単位の数字は「ページごとに1回」と数えます。

同じ検索結果に、自分のサイトの複数ページが同時に出ることがあります。
たとえばトップページと個別記事が同じ検索結果画面に並んで出た場合、
サイト全体では1回のカウントでも、ページ単位では2回に分かれます。

だから、ページ単位の合計がサイト全体を上回ることは、
異常でも間違いでもありません。
集計の単位が違うだけです。

前提2:クエリ単位は、少ないものが行として出てこない

クエリ(検索語)ごとの数字は、サーチコンソールの中でいちばん情報量が多い反面、
いちばん欠けが大きい集計です。

表示回数が少ない検索語は、個人が特定されるのを避けるため、
クエリの行として出てこないことがあります。件数が少ないほど、この欠けの影響は大きくなります。

私たちのサイトの場合、この期間にクエリの行として開示されたのは2件、
表示回数の合計は4でした。サイト全体の71に対して、5.6%しか説明できていません。
残りの94.4%がどんな検索語だったのかは、この画面からは分かりません。

前提3:全部を足しても「サイト全体」にはならない

前提1と前提2を合わせると、こうなります。

  • ページ単位を全部足しても、サイト全体と一致するとは限らない(数え方が違うから)
  • クエリ単位を全部足しても、サイト全体には遠く及ばないことが多い(少ない検索語が欠けるから)

3つの数字は、それぞれ別の問いに答えるための別のデータです。
どれか1つを「正しい合計」として扱おうとすると、必ずどこかで合わなくなります。

目的別に、どの数字を見ればいいか

知りたいこと見る数字
サイト全体の検索経由の実績が伸びているかサイト全体(プロパティ単位)
どのページが実際に見られているかページ単位
どんな言葉で検索されて来ているかクエリ単位(ただし開示率に注意)

「サイト全体は伸びているのに、クエリ単位では何も見えない」という状態は、
矛盾ではなく起こりうる状態だと知っておくと、余計な不安を減らせます。

クエリ単位を見るときに、開示率を先に確認する

クエリ単位のデータを使って「何が効いているか」を判断する前に、
開示率(開示されたクエリの表示回数 ÷ サイト全体の表示回数)を確認します。

計算式は単純です。

開示率 = 開示クエリの表示回数の合計 ÷ サイト全体の表示回数

私たちの実測では 4 ÷ 71 で、開示率はおよそ5.6%でした。
この状態でクエリ単位の数字だけを見て「特定の検索語からしか来ていない」と判断するのは早計です。
見えているのはサイト全体のごく一部でしかありません。

開示率が低いうちは、クエリ単位の数字は参考程度にとどめ、
判断の軸はサイト全体とページ単位に置くようにしています。

よくある勘違い

「クエリの表示回数が少ない=検索から来ていない」

これがいちばん多い誤読です。クエリ単位で見えている数字は、
サイト全体のごく一部でしかないことがあります。「見えていない」と「起きていない」は別のことです。

「ページ単位の合計とサイト全体、どちらかが間違っている」

どちらも間違っていません。数え方の単位が違うだけです。どちらを見るかは、「知りたいこと」で決めます。

まとめ

  1. サーチコンソールは、サイト全体・ページ単位・クエリ単位を別々に集計している
  2. ページ単位の合計はサイト全体を上回ることがある(数え方の単位が違うため)
  3. クエリ単位の合計はサイト全体を大きく下回ることがある(少ない検索語が行として出ないため)
  4. クエリ単位を使う前に、開示率(開示クエリの表示回数 ÷ サイト全体の表示回数)を確認する
  5. 「知りたいこと」に応じて、見る数字を使い分ける

サーチコンソールを開いて数字が合わないと感じたときは、
まず「今どの集計単位を見ているか」を確認してみてください。
それだけで、多くの「合わない」は説明がつきます。

あわせて読む